明日
ベッドに横になって、ふと考える。
明日、もし何かの弾みで動けなくなったら、自分は後悔するだろうか?
この弱い体と付き合って40年あまり。今日も腹痛で昼下がりが台無しだ。ちょっと調子に乗ると、すぐにダメになる。週末に食べたチヂミにハイボールに日本酒。至って普通な居酒屋メニューを、家で再現しただけなのに。ハイボール一杯、日本酒1合。決して暴飲暴食ではない。
常に体に「中庸」を求められる。それはそれで辛いのだ。飲みに行っても「もっと飲みましょう!」「まだまだ行けるでしょ!」っていうのが1番辛い。おかげさまで酩酊には強いが、アルコールの刺激に腸がやられる。酔ってないのではなく、酔いたくても酔えない。腹一杯食べたいが、食べられない。
そんな弱さだから、いつか動けなくなるんじゃないか、という漠然とした不安が常につきまとうのだ。椎間板の手術をしてからは、体の内も外も弱くなった。幸い、色んなことに後悔はない。充実した人生を送ってこられたと思う。仕事についても同じだ。自分が必要とされているという感覚も希薄な分使命感もあまりないが、中途半端な仕事だけはしないように、自分なりにきっちりとはやっているつもりだ。
家族や親は悲しむだろう。それは申し訳ないと思う。しかし、そこをして自分の気力に繋げられるか、というと……。まあ、三途の川を渡る順番は守りたいとは思うが。
とりあえず横になろう。目をつぶろう。このまま妄想しても、暗い淵に引き込まれるだけだから。